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【厚塗り】ファンタジーなイラストの制作過程・設定の考え方【描き方】

こんにちは。開発2部のデザイナーHです。

今回はプライベートで全くイラストを描かなくなってしまったので練習として、1枚絵のファンタジーイラストの制作過程を画像を交えてご紹介いたします。

▼「金属の質感描写にこだわったダークファンタジーなイラストの描き方」はこちら

▼「ソーシャルゲームイラストの描き方&色収差」はこちら

設定

まずは設定を考えて自由にイラストを描いていこうと思います。

・王道に中世っぽく(ファンタジーっぽく?)
・ひょろそうな魔女(主人)
・魔女に付き従うゴツイひとたち

なんとなくイラストを描くにあたってこの要素を入れたいな、と考えていたのでそこから設定を少し膨らませました。

・もしも倒すことができたなら何でも1つ、願いを叶えてくれる魔女がいる、という噂がある
・その噂を信じて各所の腕に自信のある強そうな人たちが魔女を探した
・ついに探し出すことができた人に魔女が出した条件は、勝てばなんでも1つ叶えるが、負ければすべてを差し出してもらう
・そして勝負に負けたゴツイ人たちは魔女の身の回りのすべてのお世話係としてこき使われました、めでたし

という前置きの元、こき使われている風景を描くことにしました。

制作過程

ステップ1:大ラフ作成

今回の使用ソフトはPhotoshopCC2020です。

まずはざっくりとイメージを固めるためにレイアウトを検討していきます。

ひどいものですが大体いつもこんな感じです。

一応4体の棒人間が立っていて、左から窓ふき・お茶くみ・魔女・髪をすいている人、といったイメージです。
背景は苦手なので、本棚でもおいておけばいいかと考えながらスペースを埋めています。
完成形のイメージは絵画のようなテイストで横並びに要素が詰まっている感じ、とでも言いましょうか…
ひとまずのイメージがつかめたらここから要素を描き出していきたいと思います。

ステップ2:ラフ作成

今回は練習も兼ねてセミリアルな感じにしたかったので、線画は残さない見た目にしていこうと思います。
下絵の段階でしっかりと要素を決めて清書にうつる流れではなく、描き起こしながら思いついた要素をつめていく形で進行しています。

これも描いている本人にしかわからないようなものですが、こんな感じで進めています。
詳細を詰める前にざっくりとしたシルエットを起こそうと思い、まずはグレースケールで大まかに形どっている状態ですね。
目立たせたい要素だけある程度固めつつ、ほかの要素は思いついたタイミングで詰めていこうと思っています。

大きな要素として左から、お茶くみ(窓ふきはリストラ)・魔女・髪をすいている人・本を運んでいる人、となっています。
設定的には、全身鎧の怖い巨漢、華奢な魔女、死神みたいな不気味な長身、マッチョ、のイメージです。
それぞれのキャラクターと背景だけレイヤーを分けて描いています。
これでおおむねイメージができたので、ここからは前回と違い実際に色をのせていこうと思います。

ステップ3:カラーラフ作成

まずは背景に色を置いていきます。
ここからスポイトで色を拾いつつ全体になじませていこうと思うので、いろんな色が入っている状態です。
パレットのように使うイメージですね。

最終的にはダークな色調に落ち着かせたいと考えています。
この段階でくすんだ色をメインに使っているとどうしても詰めていく時に濁ってしまうため、最初は明るく彩度高めの色を意識的におくようにしました。

この時のブラシの設定はこんな感じです。
デフォルトで入っているいい感じにランダムな質感を出せそうな筆先に、サイズと不透明度を筆圧でつけています。
あまりカスタムブラシを使うことに慣れていないので、前回とは趣向を変えて触りながら自分にあったものを探っていっています。

次にメインのキャラクターに色をのせてみます。
上からスポットライトがあたっているイメージでそれぞれに色をのせました。
この時は固有色をおきつつ、背景に載せた色をスポイトでとって反射光、環境光を表現していきます。

さらに机・椅子のディテールをアップしつつ、情景として朝の寝起きのティータイムみたいにしていこうかと思ったので左手前にお茶セットでもおこうかと考え小物を追加しました。
左の甲冑の大男は、最近入ってきた新入りということにしました。
新入り(ひよっこ)ということで、この家ではひよこの羽を頭に刺すことになっている(ということにした)ので頭に小さな羽を、また、新入りは一番面倒なトイレ掃除や食事当番をすべて任されるという可哀そうな立場(という設定)なので、エプロンをつけました。
図体が大きいのでぴちぴちになっています。
画面右に配置していたマッチョはおさまりが悪かったのでリストラしています。

これで全体の光源やカラーのイメージをつかめたので、それぞれを詰めていく作業に入っていきます。

ステップ4:全体の手入れ

どこから手をつけていこうか悩みましたが、モチベーションを保つためにもメインのキャラクターに手を入れることにしました。
それぞれの設定を思い浮かべつつ、ディテールを描きこんでいきます。

全体の明るさに気を配りつつ、それぞれのキャラクターの個性をだしていきます。

中央の魔女は輝くような長い髪を有しています。
目をひく要素にしたかったので、暗い中で光があたって対照的に目立つように意識をしていきます。
また、寝起きであまり機嫌がよくなさそうな表情や、オフの日なので魔女っぽい恰好よりも部屋着のような簡素な格好をさせようとしています。

右の長身な男はより不気味な印象を出したかったので、肌の色や手先の長さを強調しつつ服装も甲冑とは差別化できるようぼろぼろのローブにしてみようと思います。
ワンポイントとして頭にカラスをのせました。
よくある魔女の使い魔のようなものですが、家の中では先輩にあたるため頭の上に居るのです。

そのようなイメージを抱いて各キャラクターを詰めつつ、背景に大きく散りばめていた明るい色も必要な部分を残しつつ調整していきました。
基本的にはスポットライト的に見せたい中央の部分を強く残し、その他は画面端に向かって暗く引き絞っていきます。

ステップ5:各要素の詰め

キャラクターは完成形に向けて手が入ってきたので、そろそろ背景も要素を固めていきたいと思います。
まずは予定していた本棚を描いていきます。

本の背表紙を用意します。
矩形ツールで長方形の範囲を指定し、その中を塗りつぶしてそれっぽい装丁を施します。
これを1つのパーツとして、太さ・長さ・色・装丁を変化させつつコピーペーストで並べていきます。

それらを棚にしきつめ、さらに蝋燭などの小物を足してひとまずのイメージは完成しました。
画面の右側が完成に近づいてきたので、あわせてキャラクターにも調整をかけます。

本棚が大体できましたので、キャラクターも細部を描きこみました。
手が大きいので櫛がうまくもてず、髪をきれいにすけなくて困っている様子です。
布の境目に暖色を入れて色幅を増やしたことで、暗い色で引き締めつつも沈んだイメージではなくなったのではないでしょうか。

頭のカラスはろくに調べず適当に描いたために謎の生物になってしまいました。
隣の席からそれはカラスではないと突っ込まれましたが、サイズも小さいので良しとします。

本棚を描いたのはよかったのですが、画面右側の情報が一定で空白を感じたので収まりを調整します。
更にさみしい部分に小物を描き加えつつ、背景の全体を仕上げていきます。

画面左側のビンや皿、蝋燭などの小物に後ろの垂れ幕、中央部分に積みあがった本を描きこみ、本棚にも装飾を加えました。
また、左に居た甲冑の大男が大男に見えなくなっていたのでサイズ感をアップし、さらに完成まで仕上げていきます。

よごれた甲冑の質感を加え、エプロンにはうさぎさんマークを加えました。
カップが浮いているのは魔女が魔法で浮かせているという状態です。

魔女の表情や髪を仕上げ、傍らにオーソドックスな木の杖を描き加えます。
また、本もカップのように魔法で浮かせて読んでいるように見せます。

ステップ6.完成

最後に微調整などを行い完成です。


以上になります。
もっと要所要所でカスタムブラシを作ってスマートに進めたかったのですが、最終的には2つほどしか使うことはありませんでした。
背景などをメインにする時はしっかりと使い分けていきたいですね…。

次回以降の予定は考えていませんが、モンスターやアイテムアイコンなどもいいかなと思っています。

それでは最後までご覧くださりありがとうございました。

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