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金属の質感描写にこだわったダークファンタジーなイラストの描き方

こんにちは。
開発2部に移動したデザイナーHです。

今回は以前とは全く違ったテイストで、質感描写にこだわったダークなシンボルイラストを描いてみました。
その制作過程とどんなことを考えながら描いたのかをご紹介いたします。

▼前回の記事「ソーシャルゲームイラストの描き方」はこちら

残念なことに、ブログ記事用に制作過程のデータを残しておけばよかったと完成してから気づいてしまったため厳密な途中経過の内容はあまり残っていません…。
ですので大まかな工程に分けたうえで、後追いで解説を載せる形となってしまいますがご了承ください。

設定

現在開発2部ではリアルテイストの業務実績がないため、質感描写の練習も兼ねてこういったイメージの作成もできますよ!というアピールもできたらいいなという思いから、今回はこだわった描写ができるモチーフを描くことにしました。

イメージとしては、某ハクスラゲームのようなダークなファンタジーテイストで
ゲーム全体のテイストを表現したようなシンボルイラストを作ってみようかと思います。

今回の使用ソフトはPhotoshopCC2020、
サイズや解像度などは特に定めずに縦長のキャンバスを用意します。

制作過程

ステップ1:大ラフ作成

ベタで塗りつぶすようにシルエットからイメージを起こしていったり、線画で形を作っていったり人によってさまざまなやり方があると思いますが、今回は以前と同様に線でイメージを追っていきます。
こちらが全体のイメージラフになります。

ダークなイメージを表現するにあたり、思いついたモチーフがデッサンなどでもよく見る牛頭骨でした。
そのイメージを少し改造して角を生やしたりしつつ、まずはメインとなるものを描いていきます。
そこから牛頭骨を囲うように円盤を配置し、「枯れた森」「鉄」といったキーワードを連想してイメージを膨らませながらなんとなくの模様を追加しました。
最後に垂れ幕を垂らして、線対象になるようコピペしてラフの完成としました。

ステップ2:色分け

次にラフを下絵としつつそれぞれのパーツを色分けしていきます。
今回はがっちりと描画を行う予定なので、パーツ毎にレイヤーを分けておきました。

ラフの時点で大体の形ができたことや、最終的に線を残す描画にはしないため線画の清書などは行いません。

ここまででほとんどの準備は完了しました。
あとはひたすら描きこんでいく作業にはいります。

ステップ3:各パーツの質感描写

今回使用するのはデフォルトのぼかしブラシとエッジのたったブラシの2点です。
カスタムブラシを作ってみようかとも思いましたが、今回はひとまずこのまま進めようと思います。

まずは円形部分から。
枯れ木のようなイメージでレイヤーを分けた模様を綺麗に描きだしていきます。

これでパーツがわかれましたので、ラフの線画を非表示にして質感を描画していきます。
上からの光と、中心に向かって明るくなるような光源のイメージで、周囲を暗くしながら中心のディテールを増やします。

硬質な石板や鉄板のイメージで描きこんでいますので、それらしくみせるポイントとして光源を意識しながらエッジのたつ部分に強いハイライトを入れたり、細かな傷のディフォルメ表現としてハッチングを入れること、あとは凹凸に沿ってエッジに近い箇所に傷などを入れるとよりそれらしさを出すことができると思います。

模様(彫刻)部分については、手っ取り早くレイヤー効果で済ませようと思います。


影をつけるためにシャドウ、中心から外側に向かって暗くなっている表現のために光彩を使用して完成です。

同じ要領で、周囲の装飾部分を描きこんでいきます。

よりリアルに見える表現をするためのポイントとして、環境光や反射光に注意するとそれらしくなると思います。
上図の蔦のようなフレームを例にとると、黒いくすんだ金属のような質感としていますが、固有色の黒色系とは別に青や緑の色もなじませながら、光があまり当たっていない下部には赤色の反射光などを入れて立体感を補強しています。

更に垂れ幕の布と、剣のモチーフ部分を描きこみます。

これで画面下半分の要素が大体埋まったので、それらしさがぐっとあがってきました。
そろそろ中心の牛頭骨を描いていきます。

ネットで本物の骨の写真を参考にしつつ、ダークな印象になること、それらしい質感を出すことを第一として細かいニュアンスはオリジナリティを交えて変更を加えています。

次に楽しみにしていた角の描画を行います。

平面的なモチーフなため、この中では一番形としても面白く、カラーや質感の見せ場の1つですね。
海外っぽい印象を出すために色味の参考としていくつか資料を見ながら塗っていきました。
擦り傷や欠け、凹凸感を強調して満足がいくまで描きこみます。

最後に残った剣の柄、円盤部分を描いて完成させます。
角や金属部分はピンポイントで強いハイライトを入れてきましたが、柄に巻き付いている皮部分などは差別化できるよう鈍いハイライトの表現を行います。

ステップ4:完成

最後に背景色をととのえて完成です。(かなり縦に長いです)

※拡大画像はこちら


以上になります。
前回はかわいらしい女の子のイラストでしたので、今回は全く違う見た目にチャレンジしてみました。
特に便利な技術や手法があるわけではなく、単にゴリゴリとひたすら描き進めるというものでしたが、少しでも参考になれば幸いです。

また、弊社ではこのような様々な表現の仕方について各自が日夜研鑽を積んでおりますので、お力になれることがあれば是非ご相談頂ければと思います。

それでは最後までご覧くださりありがとうございました。

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