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ホラーゲーム風3Dメイキング(後半)

こんにちは、peakvox制作班です。
今回私達は社内研修として、ホラーゲーム風の3Dシーンを作成しました!
そして作成した3Dシーンを舞台に”ジャパニーズホラーの予告編”をイメージした映像作品を制作したのでぜひご覧ください。

このメイキング紹介は前半・後半に記事を分けていますので、前半と併せてお楽しみください。
後半では前半で作成したアセットを配置する環境作りや、動画作成についてピックアップしています!

地形の作成

UE5(Unreal Engine 5)で3Dシーンの土台となる地形を作成していきます。
地形の作成は、初期段階ではランドスケープモードのスカルプト内にあるブループリントの機能とランドスケープスプラインを使用して、大まかな形状を設計しました。
ブループリントは、坂や山などの地形作成にも利用でき、非破壊編集が可能なため、試行錯誤やアイデアの検証をスムーズに行えます。
ランドスケープスプラインは、スプラインに沿って地形を調整できる機能でカーブや分岐の編集も直感的に行えるため、自然でリアルな地形を効率よく構築できます。

▼ランドスケープスプライン

モデルの配置

こうして作成された地形に、前半の記事で作成したアセットや木々を配置します。

UE5にはPCGというプロシージャルにアクタを配置出来るシステムがあります。
このシーンの植生はほとんどがPCGを使用して配置されたものです。
このシステムを使うことによって、効率よく大量のアクタを配置出来ます。

また、視覚負荷を考慮し、UE5のNaniteの機能を活用しました。
カメラに近い場所には高密度でリッチなモデルを、遠景にはポリゴン数の少ないモデルに切り換えることで見た目の密度を保ちつつ最適化も行っています。
調整や再生成も簡単で、効率的かつ柔軟に世界観を表現できます。

ライティング・ポストプロセスでの画面の調整

ライティングを調整していきます。
今回の作品は夜をイメージしていますが、実際のこういった場所の夜道は暗すぎるので、忠実に再現すると何も見えなくなってしまいます。
かと言ってライトのIntensityを強くしたり、ライトをたくさん置いてしまうと湿度のあるジャパニーズホラー的な雰囲気が失われてしまいます。
調整を重ね、最終的にHDRI環境テクスチャとDirectional Lightを併用することで落ち着きました。

▼HDRIのみ

▼HDRI+Directional Light

ポストプロセスの処理もこだわりました。
UE5のポストプロセスは非常に優秀なので、フィルムグレイン、色収差、周辺露光など、実際のカメラのような処理を施すことが出来ます。
ポストプロセス内でカラーグレーディングを行うことによって、よりクオリティの高い画作りを演出することも出来ます。

また、ゲームを想定して制作しているので、実際にプレイした時にプレイヤーカメラに魚眼レンズのような処理が施されるような仕組みもポストプロセスマテリアルで作成しました。
これを実行することにより、より一層不気味さを演出することができます。

▼ポストプロセス処理OFF

▼ポストプロセス処理ON

▼ポストプロセスマテリアルON

動画の作成

あとは出力された映像カットを編集して一つの動画にまとめます。
今回の動画のコンセプトは「ジャパニーズホラー風の映像」にしたいと思っていますが、背景と音声などで仄かなストーリー性を醸成できないものかなと思案していました。
制作中の期間に話題になっていたGoogle AI StudioのGenerate Speech機能を試してみたところ非常にリアルな音声が生成されることがわかりました。

Generate Speechに台本を入力し、Runボタンを押すと、生成された音声が再生されます。シチュエーションや演技内容を入力することで、様々なニュアンスの音声を生成できました。
特にラジオDJの掛け合いなんかは非常に生々しく、とてもAIで生成されたものには聞こえません。うーんすごい。

逆に、夜の田舎を演出する虫やカエルの声や足音などのSEは実際に田舎っぽい場所に行き、録音して調達しました。
軽い気持ちで収録に行ったのですが、誰もいない山道で録音中じっとしておかないといけなかったのは恐怖でした。

BGMはKONTAKTのサウンドスケープ風のサンプルをほとんど単音弾きで使用しています。
素材が準備できたので、すべてをAdobe Premiereに入れて、カットを細かく編集していきます。

このムービーでは前半が映画風、後半がゲーム画面風になっていますので、フレームレートもそれに合わせて前半24fps(風)、後半は60fpsで滑らかに見えるように設定しました。
会話音声はPremiere上でハイパスやディストーションエフェクトで加工し、ラジオやテレビの音声っぽく調整しました。
音声やBGMに合わせてカットをつなぎつつ、映画風のロゴの出し方なんかも工夫しました。
今回は舞台のみの作成ですので「怖い風だけどとくに怖いシーンはない」みたいな感じですが、少しでも奇妙な雰囲気を感じ取っていただければ幸いです。


おわりに

前半、後半に渡りご紹介いたしましたが、いかがでしたでしょうか?
ホラー風なので残暑にぴったりの作品になったのではないかと思います。

オーツーではお仕事の依頼を承っております。まずはご相談からお気軽にお問い合わせください。

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